DXに取り組むためには、企業内業務を熟知する社員を、DXを継続して推進できる「社内DX人材」に育成・強化することが不可欠です。公益財団法人滋賀県産業支援プラザでは、DX人材育成の費用ならびに機器やソフトウエアなどの環境構築費用の一部を補助する「企業のDX推進補助金」を公募し、計8社が採択されましたので、お知らせします。

採択企業一覧

補助金採択事業者 事業計画名 概要
株式会社ミヤジマ 機械加工工場の設備稼働状況の見える化による生産性の向上 本業の熱間鍛造に加え、機械加工に参入したが、機械加工の生産性が低いという課題がある。その理由は、加工経験が浅いために業務ロスに現場が気付きにくいことにあるが、この気付きを得るにはデジタル化による見える化が不可欠であり、それにより生産性改善に取り組むことを計画している。
本申請では、データサイエンスで実績のある滋賀大発ベンチャー会社の指導を受け、データ取りの基本からデータを活用した具体的な業務改善方法、RPAまでの教育を受けることで、社内DX人材の育成を行う。
また、それに必要なIoT装置一式とソフトウェアを導入し、データを基盤とした事業体制を構築し、生産性の高い現場づくりを目指す。
ワボウ電子株式会社 DX推進による海老の陸上養殖システムの最適化とDX人材育成 海老の陸上養殖において、納品時に顧客要求のサイズと量を揃えることが難しいという事業課題がある。すでに基本的なIoT(水温、水質センサー等)を活用した養殖データの収集を実施しているが、現在はデータ取得レベルにとどまっている。海老の短期育成にはデータを活用した最適給餌タイミングでの自動給餌機を作動させることが不可欠である。
今回、新たなセンサーの追加とリアルタイムでのデータ解析、自動給餌機へのフィードバックという高度な双方向型IoT技術を習得するために、立命館大学から技術指導を受けてDX人材の育成に取り組み、陸上養殖に最適化した給餌システムの開発を行う。
日の本辨工業株式会社 基幹システム拡張開発の内製化 顧客からの受注と製品出荷の管理ができる「基幹システム」は部品発注と生産計画作成とは連携しておらず、発注と生産計画作成は基幹システムのデータを別ソフトで編集するなど、熟練社員しか対応できない状況(属人化)となっている。
また日常的な生産指示を口頭や手書きメモに頼るなど一部デジタル化が進んでおらず、全社的に業務遂行に求めるITスキルに達していない。
今回、自社で基幹システムの生産管理機能の拡張に挑戦する。その過程で開発に必要なデジタルスキルを委託先から指導を受け、同時に継続的なシステム運用と属人化防止のため外部講習の活用等で全社的なITスキルの底上げを行うことでDX人材を育成する。
髙橋金属株式会社 タブレット端末を用いた帳票電子化とデジタル技術の浸透 紙中心の「アナログ」業務運用がまだまだ多く、「デジタル」というものに抵抗感がある社員も少なくない現状で、今期より、異なる間接部門から「社員へのデジタル化浸透」と「デジタル化実装」というミッションを与えられた「デジタル特命隊」という5人組の組織を中心に全社員へのデジタルスキルの向上に取り組む。
マクロ・VBAの外部研修も活用して、社員のITスキルを向上させ、帳票管理の電子化を内部完結で進める。
また、現場作業員が紙媒体で作成する「設備の日常点検」と「プレス金型台帳」の管理を、タブレット端末とQRコードを用いてデジタル管理する。これらは作成がルーチン化しておりデジタル管理することでデータ活用(設備修理サイクルの可視化、金型の使用頻度)も期待できる。
原馬化成株式会社 DXを活用した工場設備の見える化システムの構築 これまで業務記録のデジタル化やRPAによる業務効率化でデジタル化を進めてきたが、センサーを活用した設備のIoT化は、設備の稼働状況の把握や遠隔操作などで不可欠なデジタル技術であるものの、電子工学分野の経験が必要で、社内に適した人材がいないのが現状だった。
そこで今回、第一ステップとして、IoT機器を活用して設備の電気使用量をリアルタイムでクラウド上に収集し、そのデータを自動でCO2換算するシステムを構築する。この取組みを進めるため、立命館大学のIoT専門家による技術指導も受け、社内DX人材を育成する。CO2排出の見える化は龍谷大学の指導を受け、CO2削減活動を推進するとともに、今後、顧客へのアピールポイントとしても活用する。
株式会社日吉 購買の仕組み作り及びRPAを活用した業務改善推進 従来の部署主導による購入購買業務を統一・規程化し、その規程を支える情報システムを構築することで購買業務の標準化を実現させる。さらに購入実績データ分析による購入品・仕入れ先の共通化を進めることで収益改善につなげる。
今後は現場担当者による作業自動化の実現のためにRPAを使える人材を育成し、課題であった「システム開発は専門家の仕事」という意識を変革すると共に、GCP(Google Cloud Platform)の開発人材も育成し、クラウドも併用し今後の業務改善に繋げていく。
伸和株式会社 エネルギー効率を考慮したAI最適計画システムの導入 ボイラー等でエネルギーを多く消費する染色工程は、生産計画立案には多くのパラメータに対する考慮が必要であり、これまで職人技で対応できるのは1名のみという状況であった。今回AIスケジューラ導入により脱属人化と併せてエネルギー効率も考慮した自動生産計画立案システムを構築する。また、染色時の設備の温度、時間はプログラムコントローラー通りに動いていることを前提に運用しているが、実際の温度を測定して最適条件を見つけるため、立命館大学が実施するDX教育プログラムへ参加し、設備のIoT化を自社で実施する。
横尾工業株式会社 DX推進による基幹システムの再設計と画像認識 自社内ではデジタルについて知識・経験が乏しくデジタル化が進んでいない。その解決策として、IT系のコンサルティングを受け、システム開発時の要件定義が自社で可能となるためのDX人材教育やDX化で先行している企業見学を行う。開発するシステムは紙ベースの発注をデジタル化することで情報を一元管理し、工程管理や作業指示の業務効率改善・生産性向上を図る。また、DX先進企業の切断最適化システム導入により端材の最小化にも取り組む。

お問い合わせ先

(公財)滋賀県産業支援プラザ 
連携推進部 
イノベーション推進課

TEL
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FAX
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