【毎日新聞】「有限会社ミルクファーム伊吹」を紹介する記事が掲載されました
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有限会社ミルクファーム伊吹
2025/3/4 毎日新聞

成長期の子どもたちに必要な栄養素がバランスよく含まれ、学校給食に欠かせない牛乳は、地元に馴染み深く“故郷の味”と言っても過言ではありません。湖北や湖東地域で「伊吹牛乳」の名で親しまれ、地域ぐるみで守り愛され続けているのが、有限会社ミルクファーム伊吹です。
牛乳は、牛から搾った生乳に何も足し引きしない成分無調整の飲料で、原料は同じでも地域や季節、メーカーによって味に違いが表れます。カルシウム、タンパク質、ビタミンB群などあらゆる年代の健康を維持する栄養補給のみならず、ストレス緩和や筋肉疲労の回復、口臭予防、安眠、アルコール分解などの効果も示され、万能な飲料と言われる所以です。「伊吹牛乳」の特徴は、ほのかな甘みやまろやかなコクがありながらも、すっきりとした後味のさわやかさが定評。学校給食のほかに、地元のスーパーやネットでの販売、宅配も行っています。

根強い人気に加えてファンを増やし続けるおいしさの秘訣の一つは、県産の搾りたての生乳のみを使用し、3日間のうちに顧客に届けられること。生ものならではの「鮮度と風味」は、どれほど優れた工業技術でも実現不可能です。もう一つはオリジナルの殺菌方法。85度で15分間ゆっくり撹拌しながら殺菌することで、栄養素の熱変性を抑えて乳糖の甘みを引き出します。日本では超高温瞬間殺菌法により短時間で大量に処理する企業が多い中、学校給食に携わり品質管理に細心の注意を払う同社ならではのこだわりで、永く継がれてきた貴重なノウハウです。
創業は1948年。伊吹山の麓の酪農家数軒が、地元の方々においしい牛乳を届けたいとの思いで始めた乳業がきっかけでした。経営が拡大する一方で、労務管理や琵琶湖環境基本条例に沿う水質浄化施設設置に対応するため、98年、新たな事業展開を決意。有限会社として農協や国・県・市による支援を受け、道の駅「伊吹の里旬彩の森」の隣接地に移転し、工場見学も可能な設備で製造・販売を始めました。
この決断が功を成し、今や牛乳のほかにヨーグルトやアイスクリーム、プリン、ミルクケーキ、チーズワッフルクッキー、コーンスープなど多彩な自社製品が人気を博しています。さらに昨年、設備投資し、女性社員のアイデアで「伊吹のむヨーグルト」を製品化。優良ふるさと食品中央コンクールへの出品も叶いました。

「先輩方が苦労して起ち上げ、地域に助けられながら70年以上続くブランドの基盤を守りつつ、5年先、10年先を見据えたニーズを聞き、付加価値を高めて次世代に繋ぎたい」。高校時代に牛と出会い、「人生牛飼いだけ」と北海道で学び、地元滋賀で酪農・乳業一筋に尽くしてきた2代目の三家清憲社長には、謙虚な中にも揺るがぬ信念があります。
酪農家の減少や少子化、学校給食ならではの価格転嫁の難しさなど厳しい環境下にあるものの、国や県が地方創生の切り札として成長戦略の柱に位置付ける観光産業との共栄、健康意識の高まりやライフスタイルの変化に即した多様な商品展開や見学体験など、可能性を広げるフロンティア精神は健在です。
滋賀の恵まれた風土と牛と人の循環によって生まれ、地域に根差した経営で育まれてきた他にない地域ブランドの味を、誇り高く愛着を持って共に未来に残しませんか。
企業概要
有限会社ミルクファーム伊吹
(米原市伊吹80)
https://milk-farm.jp/乳製品の製造・販売。
お問い合わせ先
(公財)滋賀県産業支援プラザ
情報企画課
- TEL
- 077-511-1411