【毎日新聞(滋賀版)】「株式会社ウミノ製作所」を紹介する記事が掲載されました
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株式会社ウミノ製作所
2024/12/4 毎日新聞(滋賀版)
近年、親事業者と下請事業者との取引構造が多様化する中で、長期に安定してきた取引関係に甘んじることなく、人材や設備などの経営資源の強化、親事業者のニーズに即した戦略、経営者の実行力などで競争優位性を高め、受託・請負業務を拡大している「強い下請事業者」があります。脱下請とは異なる視座で、他社が代替できない独自性で親事業者を支えて存在価値を高めているのが、株式会社ウミノ製作所です。
1995年、大手計測機器メーカーの協力企業を定年退職した初代は、56歳で退職金を元手に起業。大手メーカーの新たな協力企業として6期連続でサプライヤー表彰を受けるほどの地位を築きました。ステンレス材の精密板金加工を得意とし、ホッパー(粉粒体の排出装置)などの食品・薬品用機械部品を主力に、景気に左右されることなく成長を続けています。
大手メーカーから信頼を得て協力企業に参入できた理由は、「親事業者から求められる企業になろう」という真摯な姿勢にあります。その一つは他の協力企業が嫌がる仕事、すなわち短納期かつ不良品の削減を可能とすること。ゼロからの創業だからこそ「短納期」を強みにと大手メーカーの近場に立地し、「短納期慣れ」が身に染み込むほどの努力を重ね、今や親事業者から「困ったときはウミノさんに」と言われるまでになりました。
二つ目はVA/VE提案(製品の価値を最大化しつつコストを最適化する提案)ができること。親事業者とのこまめなコミュニケーションを大切にしています。三つ目に、設備の使い方を工夫して工程の細分化や効率化を図ること。親事業者が広める改善活動も生かしています。
2代目の海野正江社長は、父である先代が残したものを守りつつ新しい風を吹き込みます。設立当初から続く「人の和や礼儀を重んじる明るい職場づくり」は、何より自慢の「従業員の仲のよさと素直さ」に、ひいては業績のよさにつながっています。現場に一任する経営方針も継承し、若手の自主性が育まれています。同時に、妹の海野弘江専務は豊富なアイデアと細やかな感性で就活サイトや社内掲示物などを創り、変革を試みる社長のよきパートナーとなっています。
「広い視野で新たな接触を少しずつ増やし、企業と従業員の未来を守っていきたい」と語る海野社長は、当産業支援プラザの商談会や製造業受発注マッチングサイトLim-Sの活用を始めました。12月4日~6日に東京ビッグサイトで開催されるものづくり補助事業展示商談会「中小企業 新ものづくり・新サービス展」(全国中小企業団体中央会主催)にも初出展し、厚さ0.5~1.2㎝の薄板の溶接の歪みを最小限に抑える技術力をアピールします。着実に体質を強化してきたウミノ製作所は、ビジネスチャンスを柔軟に捉え、今後、業界を超えた多くの取引先とも高いパフォーマンスを発揮していきそうです。
企業概要
株式会社ウミノ製作所
(栗東市辻470-1)
http://www.umino-ss.co.jp/ステンレス精密板金・NCレーザー・レーザーパンチ・プレスブレーキ加工、スポット・TIG・アルゴン溶接。
お問い合わせ先
(公財)滋賀県産業支援プラザ
情報企画課
- TEL
- 077-511-1411