【毎日新聞(滋賀版)】「協和工業株式会社」を紹介する記事が掲載されました
- 公開日
協和工業株式会社
2024/11/20 毎日新聞(滋賀版)
「顧客のツボを押さえたものづくり」。失敗を教訓に変え、従業員25人ながらも筋肉質経営で、業界初のアイデア商品を次々と生みパイオニアと称されているのが、協和工業株式会社です。
高度経済成長期で水道インフラが急速に整備された1961年、大手バルブメーカーの協力会社として創業して売上げを伸ばした同社は、その後の大手取引先の倒産などを乗り越えたものの主力品目の受注激減により下請けからの脱却を迫られました。2代目の清水重信社長は自立型企業への転換を試み、弟の清水勝也専務の設計・開発力を得て、自社製品を展開しました。
その第一号が「水道用地下式消火栓 急速空気弁内蔵型 空消ドルフィン」でした。配管内で水の流れを妨げる空気を抜く弁を消火栓に内蔵し、画期的な自信作でしたが売れ行きは不調。ヒアリングでユーザーが求めているのは機能は必要最小限で低価格な製品と知り、潮流に逆行して簡易な「水道用地下式消火栓 排気弁付」を開発。これがヒットして業績を回復しました。
「ものを売りつつ徹底的に顧客の声を聞いて回る」という営業スタイルで次に製品化したのは「カムレバーロック式 水道用急速空気弁 カマンエア」。メンテナンスが必要な空気弁の分解時間を、レバー操作により10分の1に短縮しました。さらにアタッチメントも充実させ、中でも応急給水口は東日本大震災時に役立ちました。被災地で生の声を聞いた社長は、漏水を防ぐ「フランジ結合補強具」の開発を指示。独自技術によるステンレス芯金のパッキンと特殊なナットを組み合わせ、熟練度を問わず容易に扱える製品を作り上げ、全国約1,700自治体のうち500以上で採用されています。
仕様は100種以上に増え、創業時と異なり多品種少量生産を実現すべく2019年にセル生産方式に変更。当産業支援プラザの「生産性向上支援インストラクター養成スクール」を活用し、リードタイムは3分の1以下になり、従業員は先読みする力を養い生産性を上げています。
23年には「国土強靭化民間の取組事例集」(内閣官房発行)に掲載されました。「神戸水道展」(公益社団法人日本水道協会主催)、ベトナム最大の水関係国際展示会「Vietwater(ベトウオーター)2024」への出展などで国内外の展開にチャレンジしています。
インフラを支え商品価値を売るビジネスはやりがいがあるとして、営業を担う仲間を求めています。インフラの老朽化や予算縮小が進む一方で耐震化が求められる中、「当社の製品は永く有用。未開拓のニーズを掘り起こし商品開発につなげたい。確かな市場調査で先陣を切り、顧客のほしいものを作り続けます。」と意気込んでいます。
企業概要
協和工業株式会社
(東近江市小田苅町1790)
https://www.kyowakk.com/水道用地下消火栓・空気弁を主力とした水道用弁栓類の製造販売。
お問い合わせ先
(公財)滋賀県産業支援プラザ
情報企画課
- TEL
- 077-511-1411