株式会社想造技研

2024/10/9 毎日新聞(滋賀版)

配膳ロボットや清掃ロボット、ドローンなどが身近に増え、従来の囲われた工場の柵を超えてサービス、物流、建設などあらゆる分野に進出しているロボット業界ですが、世界的な視野で見ると日本の技術開発の減速や中小企業への普及の遅れなどの課題があります。その原因の一つと言われるのが、ロボット導入のためには高度な専門知識が必要なことや、その扱いが難解なこと。技術者不足やユーザーのロボットリテラシー不足を少しでも解消し現場のニーズに応えたいと、自身の豊富な経験を生かして起業したのが、株式会社想造技研の滝沢一博社長です。

得意とするのは、近年日本でも拡大している世界標準のROS(Robot Operating System)。ロボット開発者が高性能なロボットシステムを設計、開発、運用するためのオープンソースのソフトウエアプラットフォームで、豊富なツールやライブラリを有し、高速処理、安定性、柔軟性、再利用性に優れているのが特徴です。このROSなどを活用し、ロボットや自動化システムに関わる技術支援やアドバイス、ソフトウエアの開発、筐体設計などを主力に、エンジニア対象のセミナー講師、教育用ロボットキットの開発支援、ロボット部品の代理販売なども行うことができる企業です。

昔から趣味で二足歩行ロボットやセンサーによる自動操縦プログラムを自作し、ROBO-CUP世界大会への出場などを重ねてきた滝沢社長。滋賀医科大学と連携し、人の表情を読み取る医療用のコミュニケーションロボットの研究や、国際ロボット展での登壇もしています。背景には、大手自動車メーカーや大手電気機器メーカーで、工場の自動化や生産ラインの立ち上げ、コントローラーやモータの製造開発を手掛けるなど、20年以上積み上げた貴重な経歴があります。展示会やイベントで個人的に受ける相談が増えたことをきっかけに独立を決意し、2023年11月、これまでなかったロボットの技術開発に特化した起業にチャレンジしたのです。

プログラミングから商品開発、製造、品質管理まで多岐にわたる技術力を基に、横断的にアレンジメントができることが最大の強み。目指すのは「ロボットの社会実装」を数多く実現することです。「ロボットが必要とされるフィールドはまだたくさんある。AIも活用しながらマーケットに応じた適材適所の使い方をアレンジし、特に中小企業におけるロボットの普及に貢献したい」と意気込みます。

当産業支援プラザ内のハンズオン型支援施設「創業プラザ滋賀」には、今年1月に入居。インキュベーション・マネジャーが、経営や法律に関わるアドバイス、定款の作り方、税理士の紹介などさまざまな支援を続けています。

高齢化や人口減少による労働力不足の解消、生産性向上やコスト削減、重労働や災害救助、医療や介護・福祉の難題などを抱え、今、日本のロボット技術に対する期待は大いに高まっています。これらを底支えすべく、さらに開発力を高め、少数精鋭で付加価値の高い仕事をこなしたい。これまで築いてきた京都、大阪、東京のクライアントとは息長く、地元滋賀でも事業拡張したいと積極果敢です。「自らの学びや経験から得た総力を、人に提供するオンリーワンの価値に仕立てることが起業。馬力と熱意があれば飛び出すべき」と語る滝沢社長は、ロボット産業の振興のみならずベンチャー創出も導いてくれそうです。

企業概要

株式会社想造技研

(大津市打出浜2-1 コラボしが21 409号室)

https://soozoorobo.com/

ROS等を活用したロボットおよび自動化システムの開発技術相談・受託開発、ロボット技術セミナー開催、ロボット部品販売代理店。

お問い合わせ先

(公財)滋賀県産業支援プラザ 
情報企画課

TEL
077-511-1411

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