スマイルデザインカンパニー

2024/7/17 毎日新聞(滋賀版)

楽しみながら言葉やことわざ、歌などの知識を身につけることができる「かるた」遊び。記憶力、集中力、判断力、積極性、コミュニケーション力など子どものさまざまな力を伸ばしてくれる万能なツールです。そんなかるたの予想外の効力を見いだし、子どもと企業をつなぎ滋賀の活性化に導いている、スマイルデザインカンパニーを紹介します。

結婚を機に滋賀に移り住んだ代表の松井栄里さん。自然豊かで子育てしやすく住み心地がいいにもかかわらず「琵琶湖しかない」と語られがちな滋賀の魅力を形にして伝えたいと、魚好きの息子が夢中だった魚かるたにヒントを得て、2019年に「滋賀コレかるた」を作成。得意のグラフィックデザインを生かしたビジネスが始まりました。後押ししたのは、県立草津SOHOビジネスオフィス主催の起業塾、そして当産業支援プラザの起業準備応援補助金(現・滋賀県起業支援金)による試作です。県内の名所旧跡、特産品、歴史、伝統文化を盛り込み、子どもが好きなワードや擬音語をちりばめ、大人も学べる豆知識を加えたかるたは、幼稚園や保育園で大人気。観光案内所、県内の百貨店や書店、オンラインショップで、かるたのキャラクターを描いたTシャツや缶バッチと共に土産品としても売れています。

転機は、「大津・女性ビジネスプランコンテスト」の受賞で得た審査員からの応援アドバイス。PRプランナーである大田千菜美さんとの出会いも重なり、二人で考案した「滋賀コレかるたで地域活性プロジェクト」が22年に始動しました。

ブックドライブ(古本を図書館や施設などに寄贈する活動)を基とするこのプロジェクトは、参画企業がかるたを購入し、地域の幼稚園や保育園の子どもひとりに一つずつプレゼントするモデルです。スマイルデザインカンパニーは、企業のオリジナル札を作成し、滋賀コレかるたに加えます。企業には園児との交流会をセッティングし、かるた取りやかるたの贈呈式の後、自社を紹介する機会を提供します。園児は、近隣の工場で製造された部品が自動車を動かしていることを知り、実際にその部品に触れて歓声をあげることも。仕事に興味を持ち、滋賀の企業を誇りに思う子どもが増え、成長して就職を考える際の選択肢にしてほしいという願いが込められているのです。企業からは、自社のキャッチフレーズがかるた札になり、地域との絆を深められると喜ばれています。これまでに24の企業や団体の賛同を得て、約2500人の園児にかるたを手渡すことができました。企業のオリジナル札全48組の完成を目指し、現在奮闘中です。

園児に平等にかるたを配布する教育的な意義にも改めて気づき、「プロジェクトの波及効果は大きく、かるたの持つ無限の可能性を感じる」と二人は口をそろえます。滋賀コレかるたが県民に広く浸透し、かるたを通じて子どもも大人も自らの住む滋賀や地元企業に親しみを持ち、郷土を愛する心が育くまれ、ひいては地域活性や産業振興につなぐこの社会貢献活動を、より有意義に活かしたいと考えています。

コラボしが21の1階展示コーナーGALLERYでは、「滋賀コレかるたで地域活性プロジェクト展」を7月30日まで開催しています。スマイルデザインカンパニーの活動を知り、滋賀の未来を共に考える企業や個人からより多くの協力を得らえると幸いです。

企業概要

スマイルデザインカンパニー

https://karuta.biz/

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(公財)滋賀県産業支援プラザ 
情報企画課

TEL
077-511-1411

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