株式会社高岡屋

2024/2/27 毎日新聞(滋賀版)

日本の農業は、担い手の減少や高齢化、企業などの参入による経営規模の拡大など、構造が大きく変化しています。創業以来144年間、農家を支え続けてきた株式会社高岡屋が、これらの課題解決のため革新的なソリューションの提案をはじめました。

日本の農業は、担い手の減少や高齢化、企業などの参入による経営規模の拡大など、構造が大きく変化しています。創業以来144年間、農家を支え続けてきた株式会社高岡屋が、これらの課題解決のため革新的なソリューションの提案をはじめました。

潮目は、農林水産省の施策で、農薬や化学肥料の使用削減が進んだころ。12年に新たなビジネス開拓を目指し新規開発室を立ち上げました。着目したのが「水稲種子への農薬コーティング事業」。取引先から預かり受けた種もみに農薬のコーティング処理を施すサービスです。水稲栽培の大半を占める移植水稲の育苗箱への薬剤施用から、農作業の閑散期などにあらかじめ農薬を塗抹した種子を用いて育苗することにより、生産者での農薬コストの削減、農作業の省力、軽労化と共に、農薬の空容器減少による省資源や環境負荷の低減などの課題解決につながります。海外ではすでに行われている技術で、SDGsの観点から今後日本でもこの技術への移行が進むと見込んでいます。

もちろんコーティングマシンの製作には、ものづくりの力が不可欠です。後押ししたのは、参加していた当産業支援プラザの「滋賀型・NT(ニッチトップ)企業創出支援事業」企業連携研究会の農業分科会。業種の異なるメンバーが専門知識やノウハウを持ち寄り、IoTを活用し、種子処理工程の安定化、品質データのクラウド処理をも備えた試作機を、約1年かけて共同開発しました。国産第一号として特許申請中です。当支援事業は今年度終了ですが、滋賀を牽引する企業創出のみならず、新たな異業種連携を生み、相乗的な経済効果が期待できる事業になりました。

「今後この種子処理事業を大豆や麦にも広げ、現在農業用資材として注目されているバイオスティミュラント(植物や土壌の活性を高める物質や微生物)にも挑みたい」と宇野彰一社長は展望を語ります。最大の強みは、創業時の特約店制度から築き上げてきた「信用力」。長年培った幅広い知見を基に、農家の生の声に耳を傾け、役立つ付加価値を商材に添えて迅速に届ける「高岡屋らしいサービス」は、農業の変革期にありながらも変わらず息づいています。「おいしさの基本は、土や水など農作物を取り巻く環境にある。他県にない良質でインパクトのある滋賀ブランドを育て、グローバルな市場に広めたい」

高岡屋は、農業の生産力向上と持続性を目指して緩やかに舵を切り、生命の源である豊かな食生活を守り続けてくれています。

企業概要

株式会社高岡屋
(草津市草津3-9-14)

https://takaokaya2.sakura.ne.jp/

農薬(天敵、非農耕地剤含む)・肥料・農業資材の販売、ゴルフ場・公園等の緑地の維持管理、産業用マルチローター(ドローン)のオペレーターの養成・販売・点検・保守。

お問い合わせ先

(公財)滋賀県産業支援プラザ 
情報企画課

TEL
077-511-1411

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