【毎日新聞(滋賀版)】「株式会社東京濾器山村製作所」を紹介する記事が掲載されました
- 公開日
- 最終更新日
株式会社東京濾器山村製作所
2023/12/19 毎日新聞(滋賀版)
自動車産業は、EV・軽量化、自動運転、価値の多様化により予想を超えるスピードで変化し、周辺産業を含め全産業に影響を及ぼしています。これに臆することなくフレキシブルに挑むのが、株式会社東京濾器山村製作所です。
山村商店の名称で1961年、大手電機メーカーの協力会社として洗濯機部品などの板金プレス工場からスタート。その後、東京濾器株式会社(横浜市)とのご縁をきっかけに現社名となり、自動車の鉄部品のプレスから溶接、塗装、組み立て、品質管理までを一貫して実施するようになりました。現在、このノウハウを生かして樹脂製品の生産能力を有するまでに発展し、自動車・船舶用吸気システムなどの輸送用機器を主軸に、家電用樹脂部品、インサート成形品など幅広い製品を、良質、迅速、安定したものづくりでユーザーに届け、厚い信頼を得ている企業です。
4代目の山村孝幸社長は、2013年に就任。ほどなく自動車産業が「百年に一度の大変革期」に突入し、EVシフトの加速で、車体材料の約7割を占めた鉄に代わり、非鉄、樹脂材料、炭素繊維が台頭し始めた時期でした。この潮流を早くから察知しリスクを予見した社長は、先行して習得していた樹脂成形技術を生かし、機械設備を樹脂成形用に徐々に移行。さらに、将来の経営安定に備えて地道に種をまいていた顧客開拓を実らせ、長く1社のみだった取引先を6社に広げたのです。
探求心旺盛で、話題豊富かつフレンドリーな社長の人柄は、強みの一つ。顧客の依頼は決して断らず、「困りごとがあれば何でもやりまっせ」が口癖です。縛りのないティア2(2次サプライヤー)という現在の立場を生かし、業種を選ばぬ提案型の営業は、社長の得意とするところ。社員に対しても、目線をそろえて良き相談相手となり、提案事項は進んで取り入れます。また、単なる部品加工だけでなく組み立てて完成品にまで仕上げられることも、大きな強み。ティア1(1次サプライヤー)の東京濾器株式会社(横浜市)を通さなくても自動車メーカーへの直納を許可されているのは、高い品質と技術力に基づく、揺るがぬ信頼の裏付けです。どんなアイテムの製造をも可能とする評判は広まり、日用雑貨など思わぬ異分野からオーダーが舞い込むほどです。
今年、当産業支援プラザのビジネスマッチング事業をきっかけに、工場排水や生活排水を浄化する水処理膜の生産を増強する大手産業機械メーカーからの大型受注が確定。実は、今注目されているこの技術にも、早くから取り組んでいました。今後、半導体工場のクリーンルームや病院などへの市場拡大も見込んでいます。他にも、大手建機メーカー向けの外気導入ダクト、次世代キャビンの内装部品、フィルターメーカーとの共同開発による半導体設備排気フィルターや活性炭フィルターエレメント、住宅総合機器などさまざまな新規事業を始動しています。
もちろん、目指すのはティア1への昇格。コア技術を礎に、建設機械、住宅設備、水環境、ロボットなど多分野に知見を広げ、「ものづくりのプロ集団」のスキルを上げ、組織を固めて事業拡大したいと考えています。県プロフェッショナル人材戦略拠点も活用する予定です。
さらに工場の自動化・省人化に注力し、24年4月、大型ロボットを使った自動化ラインが完成します。最新の成形技術を投入し、工程短縮・多品種少量を可能とする生産体制で、蓄積してきた力の結集です。中小企業の先駆といえるこの取組を自社のみならず顧客企業にも提案し、中小企業全体を盛り上げたいと言います。
未来を変えるイノベーションは、今後さらに加速していきます。どんな状況下においても、感度を高く自社の将来ビジョンを持ち、進取果敢に取り組むことの重要性を、東京濾器山村製作所は教えてくれています。
企業概要
株式会社東京濾器山村製作所
(高島市新旭町太田799-4)
https://www.tr-yamamura.jp/自動車・船舶等輸送用機械器具の製造・販売。
お問い合わせ先
(公財)滋賀県産業支援プラザ
情報企画課
- TEL
- 077-511-1411