【毎日新聞(滋賀版)】「株式会社山久」を紹介する記事が掲載されました
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株式会社山久
2023/8/22 毎日新聞(滋賀版)
変化の目まぐるしい世の中で経営を長く続けることは容易ではありません。東京商工リサーチの2022年発表の調査結果によると、21年の国内157万社の平均年齢(業歴)は34.1年。創業・設立から100年を超える企業は全体の0.29%で1000社に3社という割合だそうです。地域に選ばれ続け、今年6月に創業92年を迎えた株式会社山久の長寿の秘訣を探ってきました。
社名は祖業である宮大工の屋号に由来し、慶雲館(長浜市)の建築など古くから地元に貢献する中で、1931年に機械工具部品の専門商社として創業、92年に現社名となりました。長浜を中心に県内6拠点、近隣の岐阜県にエリアを拡大し、海外ではタイに現地法人を設立。現在、取引先は1000社以上、商品数は約10万点に及びます。「業界ごとに異なる多様な機械設備にこまやかに対応し、ものづくりの変遷に伴う顧客の要望に沿い、生産が止まることのないよう配慮を重ねるうちに、おのずと広がっていった。」と平山正樹社長は謙虚に語ります。
卸売業という枠に留まらないのが、同社の特徴です。社員は、国家資格の取得や定期的な勉強会などでたゆまず自己研鑽し、セールスエンジニアとしての設計、施工、メンテナンスから、設備投資やDX推進の提案、省エネ診断まで、企業をハードとソフトの両面からサポートします。また、季刊誌「山久ニュース」の配布やセミナー・展示会の開催で、取引先に有益な最新情報を常に提供しています。さらに、10年間実施したヨシ刈り活動、200回以上継続している月1回の地域清掃、「奥びわ湖・山門水源の森」のネーミングライツ取得、環境改善商品の優先販売など、琵琶湖を有する滋賀県企業として環境保全にいち早く貢献してきました。
現在、2031年の創業100周年に向け、中堅・若手社員を中心に「MIRAIプロジェクト」に取り組んでいます。自らが主役となりどんな会社にしたいかを考え、強みや自社の魅力を「見える化」して未来へつなげるための企画です。
「山久の伝統は『先進力』。商売の原点は信用第一、すなわち約束を守ること」。フレキシブルな平山社長ですが、経営理念「人と地域に、安心という名の信頼」は脈々と受け継がれています。長年培われてきたノウハウの蓄積や実績に頼ることなく、社員ひとりひとりがスキルアップできる組織体制、社会潮流を捉えた情報力、環境経営などにより、顧客企業のみならず地域全体を永く包括的に支援してくれる商社なのです。
企業が100年続くために大切なのは、「伝統と革新のバランス」「堅実な経営」「社員を大切にすること」「地域への貢献」「経営理念の継承」であると同社から学びました。平山社長のまなざしはすでに世界を見据えています。国境を越えたものづくりの架け橋として、山久の今後のさらなる発展、活躍が楽しみです。
企業概要
株式会社山久
(長浜市八幡中山町1202-5)
https://the-yamakyu.co.jp/産業機械、工作機械、省エネルギー設備などの販売。
お問い合わせ先
(公財)滋賀県産業支援プラザ
情報企画課
- TEL
- 077-511-1411