株式会社池田製作所

2023/5/30 毎日新聞(滋賀版)

家族のみで営む工場を小学生の頃より手伝いながら、技術や経営を学び、今や全国からの受注で売り上げを伸ばしている樹脂精密切削加工の「株式会社池田製作所」の池田龍宏代表取締役を訪ねました。

1971年、先代である父が金属加工の「池田鉄工所」を創業。その後時流を受け、85年に半導体洗浄装置の樹脂加工を主とする池田製作所に社名変更しました。半導体の製造工程のひとつ、薬液による洗浄に用いられる装置の日本のシェアは高く、その部品には高い精度が求められます。同社が製造する部品は、創業以来培ってきた知識と技術により幾何公差(基準値との誤差)やばらつきが極めて少なく、切削した表面に刃物の後を残さない「まごころある職人技」が光るのが特長です。また、工場内の安定した温度管理が可能で、フッ素樹脂(PTFE)加工を得意とすることも強みです。PTFEは半導体、化学工業、自動車航空宇宙などの先端技術を支える重要な材料で、切削に技術者の高い能力が必要です。PTFEは耐熱性、耐薬品性、電気特性に優れ医療機器にも使われるため、同社の技術は医療分野でも生きています。

社員は9名。少数精鋭で高い生産性が自慢です。同時5軸加工、鏡面加工、特殊ねじ加工などの豊富な技術を駆使し、精密で複雑な部品を正確かつ効率的に作ります。独自のプログラミングや受注管理システムを開発する頭脳も持ち合わせている企業です。

一昨年、県産業支援プラザの「滋賀型・NT(ニッチトップ)企業創出支援事業」に採択され、新規事業として自社商品の開発も進めています。全員参加のワークショップで生まれた企画から販売までの成果は、社員の成長やリーダーの育成にも繋がっているとのこと。社員を大切にし、個人の能力と意欲を引き出そうと努める代表取締役の熱い思いが伝わります。

「他社にはできない難しい案件も、図面さえあれば仕上げます」と語る池田代表取締役の自信の裏には、いくつもの困難を乗り越えて得た実績の積み重ねがあります。5月に完成した広大な新社屋は、福利厚生が充実し、24時間稼働するロボットの導入を予定しています。「今後はものづくりだけでなく、知識を提供するサービスもしていきたい」。「樹脂」という素材を知り尽くし、その加工技術を極めたプロフェッショナル集団は、我々の見えないところで日本のハイテク産業を真摯に支えていきます。

企業概要

株式会社池田製作所

(日野町別所900)

https://ikeda-pura.main.jp/

精密樹脂切削(省力機械関係、半導体関係、医療関係等)、試作品及びモデリング提案製作、各種冶工具製作。

お問い合わせ先

(公財)滋賀県産業支援プラザ 
情報企画課

TEL
077-511-1411

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