株式会社ジェリフ

2023/4/18 毎日新聞(滋賀版)

ゼラチンは、古代エジプトの膠(にかわ)(動物の皮革から採取した糊)の製造が起源といわれ、5000年以上も前から現在まで接着剤として使われています。19世紀のヨーロッパで食用として製造されるようになり、写真用、医療用、工業用など、今なおその需要は広がっています。

日本では1934年、初の写真フィルム用ゼラチンの生産工場として、株式会社ジェリフの前身である、合資会社野洲写真化学工業所が創業しました。当初は国からの要請で、主に軍事用の航空写真に利用するゼラチンを製造していましたが、戦後間もなく、初代社長は食用ゼラチンに主力をシフトしました。ゼラチンの主な栄養成分であるタンパク質は人体に欠かせないものであり、日本の食文化に永く貢献したいとの思いからでした。

原料となるのは、牛や豚の骨や皮、魚の鱗(うろこ)など。これを長い工程を経て加熱抽出したのが「ゼラチン」で、さらに酵素分解したのが「コラーゲンペプチド」です。同社はこれらを用途に合わせ、多様な形状で商品にしています。

例えば「ゼラチン」は、口腔温で溶けるため嚥下(えんげ)障害患者の介護食用や、スープをゼリー状にしたレンジアップ商品などに、また「コラーゲンペプチド」は脂肪として蓄積されにくい動物性タンパク質で、消化吸収がよく水に溶けやすいので健康や美容を補助する飲料用などに使用します。

とりわけ、薄板状の「ゼラチンリーフ」は、国内で同社だけが製造しているオンリーワン商品です。1枚ずつ定量なので計量の必要がなく、溶け残らず食感や仕上がりに優れているため、一流ホテルのシェフやプロのパティシエに愛用されているとのこと。現在の社名ジェリフ(jeleaf)は、ゼリー(jelly)とゼラチンリーフ(leaf)を組み合わせたそうです。

ECサイト販売、自社製品活用レシピのSNS発信、ハラール認証の取得など時流に合わせた事業を展開し、健康ブームの後押しも受けて同社は成長を続けています。7代目の中井圭介代表取締役社長は「苦しかった時代に皆で蓄えた力が芽吹いている。今後はさらに新たな商品開発や、販売ルートの開拓に注力していきたい」と語ります。品質で勝負し、海外展開にも注力します。

コラーゲンやゼラチンは細胞に親和性があることから、先進医療への利用も進んでいるそうです。人々の生活に不可欠なこの素材の無限の可能性を、ジェリフはさらに引き出してくれるでしょう。

企業概要

株式会社ジェリフ

(野洲市市三宅1013)

https://jeleaf.co.jp/

ゼラチン、コラーゲンペプチドの製造・販売、その他ゲル化剤の販売。

お問い合わせ先

(公財)滋賀県産業支援プラザ 
情報企画課

TEL
077-511-1411

    お問い合わせ内容
    氏名
    メールアドレス
    会社名・団体名
    担当者からの連絡方法をお選びください
    電話番号

    このページの情報は役に立ちましたか?

    ご回答ありがとうございました。
    今後の参考にさせていただきます。

    一番上へ