【毎日新聞】「株式会社駒井工作所」を紹介する記事が掲載されました
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花まる73 駒井工作所(草津市)
2025/4/18 毎日新聞

幅広い分野で数マイクロメートル単位の加工精度や高水準な品質が求められ、多くの企業がひしめき合う精密機械部品加工業界。その厳しさの中で選ばれ続けている株式会社駒井工作所の魅力を探りました。
ひとつは「マイスター制度」。国家技能検定の取得を支援・奨励し、特級機械加工技能士1人、技能検定1級取得者延べ19人を輩出、県内首位も獲得しています。卓越した技術力を維持する源は、多様な大手上場企業からの難題や要望に自ら挑む向上心。積層の超硬加工や特殊な難削材にも高い精度で応えます。

もう一つは「自社ブランド」。2005年に従業員の声から生まれた、マネークリップを兼ねたカードケース「JUSTE」は、ジュラルミンの芸術的な美しさ、無骨なかっこよさが時流に合い、百貨店やセレクトショップで人気を博しています。実はその5年前の初ブランド、アルミ製のスマホケースはスマホの型が頻繁に変わるために断念。この失敗が不屈の精神を育み、「JUSTE」の成功に導きました。
同社は1973年、ものづくり好きで技能五輪にも出場した初代が、在籍していた松下電器産業電子工業研究所(当時)から譲り受けた1台の機械を基に創業。2代目の駒井崇志社長は父から継いだ「技術」「愛情」という2つのDNAを根幹に、独自の思いやノウハウを展開しています。

まずはコミュニケーションの強化。スローガン「人に優しい職場づくり」のもと、朝礼でのひと言スピーチ、弁当支給のランチョンタイム、クイズ・仮装・コント大会を兼ねた飲み会などで会話を増やし、アットホームな空気を醸成。「人間性の豊かな人は自ずといい仕事をする」と言います。
また、自身の経営コンサルティングの経験を生かし、デジタル化により生産性を向上。さらに、貴重な職人技を最大限に生かせるよう、最新の機械を段階的に導入しました。これらが功を成し、経営規模は拡大。売り上げは15年で3倍以上に伸びました。
ハード(技術力)にも勝る強みは、ソフト(顧客への誠意)。「魂は細部に宿る」とニーズを捉えたこまやかな心配りによる面取りや公差プラスマイナス1ミリの微調整は、組み立てやすさや扱いやすさ、寿命の長さにつながり、「顧客の満足をつくる企業」と高評や信用を得ています。

畑違いの金型の知識・技術や経営の極意を教えてくれた初代への敬意と、従業員への感謝を胸に、クイックウィンと成果の還元で応える社長を陣頭に、信頼関係でつながれた駒井工作所は事業承継の成功モデルと言えます。「思い通りにならないことや困難を乗り越える作戦を考えるのが楽しい」と趣味や遊び心をも経営に生かし、「今を一生懸命楽しむことで見えてくる新たなもの」に向かい、駒井工作所はものづくり産業を支えるべく今日も走り続けています。
企業概要
<株式会社駒井工作所>
草津市穴村町328
精密機械部品加工、金属加工、試作品・金型設計製作
電話:077-568-1258
お問い合わせ先
(公財)滋賀県産業支援プラザ
情報企画課
- TEL
- 077-511-1411
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